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少女辞典 3巻 表紙
更新未定で出るのか心配だった第3巻。『人工知能』と『中国語の部屋』、『性同一性障害』と『ゴジアオイ』といった複数のテーマを組み合わせた演出・構成が上手くて毎度感心させられる。

少女辞典 | ガンガンONLINE | SQUARE ENIX


▼睡眠少女
いつも寝てばかりで一見ただの怠け者のような少女の話。

実際はどうにかして寝ないように努力し続けていて、これに限らず本人の努力だけではどうしようもないのに一人で抱え込んで苦悩している人は現実でも少なからずいるのではなかろうか。

原因も現代病の1つだし周りに気づいてくれる人がいるって大事だなと。


しかし枕の下にギコを敷いて寝ると見るアレの夢でねむを起こす流れは何回読んでも笑う。アレと化したお母さん良いこと言ってるのに絵面がシュール過ぎる…。




▼友愛少女
『薄幸少女』で不幸を原動力に絵を描く九音からつき放された少女の話。

九音の友人と触れ合うだけで幸せに感じて絵が描けなくなるって相変わらず難儀な性分。仲良くしたいけど九音のことを想って距離を置く菊里の境遇がせつない。

今後この2人が一緒にいることは無いのかな…と思ったら描き下ろしでほんの少し補完があって嬉しい。でも「今日一生分愛す」は愛が重すぎる…。


少女辞典 3巻 01
一方、今回不在だった八千子に対してギコの「私とやちこは友達か?」という問いに、八千子の絶妙な返答からのスキマメモがお互いの関係性を表してて良いなと。

珍しく八千子以外の人と組んで、更に九音と菊里らの友情を通してギコなりに色々思うところがあったんだろうねえ。




▼機械少女
人が苦手で自身が作った機械人形に感情を芽生えさせようとする少女の話。

『中国語の部屋』という思考実験を元に現在の人工知能を説明する流れが非常に分かりやすい。そこから思考実験と同じように振る舞うことしかできない雛が「私も機械と同じ」と気づく流れが自然でこの手の演出が本当に上手い。


ギコの「女子になりたい」という出オチ感ある発言から機械人形のカナちゃんに取り憑いて少女生活を満喫してる図が普通に可愛くてずるい。何気に前話で女子会に行けなかったこと根に持ってるのはどうなの…。


久々にギコが悪霊っぽいことしてると思ったら膝蹴りで瞬殺されて八千子のストッパーとしての安心感よ。その後のいかにも「殴り足りねえ…」という表情や片手で首締め上げてるの見るに絶対に怒らせたらダメな相手だこれ。

膝蹴り食らったカナちゃんはそれで壊れたというよりギコの憑依から解放されて雛を守るために機能停止したように見えなくもないような。描き下ろしも見るにちょっと感情芽生えてない?




▼病弱少女・弐
嫌味な主治医の薬袋先生と一美が歩けるようになるまでの話。

前回の『病弱少女』で自力で歩けるようになったと言ってたけどこんな経緯だったのか。両親?や看護師に学校でも哀れみの目で見られてばかりの中、嫌味ながらも一貫した態度で診てくれた先生が心の支えになってたんだろうなと。


『女優少女』や別作品の『黒鬼』でもそうだったけど、この作者の電車関連の演出は筆が乗ってて毎回楽しい。走行中の電車とそれを追いかけるシーンから静まり返ったホームへの切り替わりで静動表して、ふと自分の足で立っていることに気づく流れが上手い。

この話のギコって全体的にドライで先生に入れ込む一美の気持ちが分からない…というか分かろうともしない雰囲気だったのに、最後のお節介で漸くいつもの調子に戻った感ある。こういうことの積み重ねで徐々に丸くなっていったんだろうねえ。


少女辞典 3巻 03
最近ポケモンやっててこのNPC見るたび薬袋先生に似てるなあと思ってたり。主人公は『女優少女』七座オリエのお忍び服のイメージという言われてもピンとこないであろうネタ衣装。




▼乙女少女
少女という概念が服を着て歩いていると思わせるほど可憐な女装男子の話。

少女辞典 3巻 02
いかに葵が少女らしいとはいえ少女辞典に載せるか悩んでいたギコが最後の最後に受け入れ、少女辞典の葵のページを見せて〆る構成が素晴らしい。


火葬場の幽霊の噂を多少の差異はあるものの現実にしたり、葵の「女装をして生きるのをやめる」が女装ではなく生きることをやめるに掛かっていて伏線の張り方も秀逸。

特に『ゴジアオイ』の生態や花言葉までしっかりストーリーに組み込んでるのは凄い。植物の自然発火っていうと葉が燃えやすくて山火事後に耐火性の種で発芽するユーカリを思い出す。


タイトルで女優とか乙女とか少女と意味被ってる回は妙にクオリティ高い気がする。




▼霊感少女・弐
相変わらず霊が怖くてとっさに手が出るのを克服しようとする立花の話。

日頃の行動と今後を危惧して自ら目を潰そうとした立花の元に一美が出てくるとは驚いた。死んでも角膜移植したことで立花の中で生き続けてるんだねえ。

描き下ろしで一美の移植に託した思いを垣間見たり、薬袋先生の気持ちを聞いたことでだいぶ前向きになれたようで良かった。


中盤の霊と話してる立花に「誰と話してるの?」と聞く八千子と、終盤でギコ踏んでることに気づかない八千子に「もしかして見えてない?」と聞く立花でお互い相手に気付かされる表現になってるのが面白い。

普段ギコと普通に接してるから忘れがちだけど、八千子って全く霊感無くてギコが見えるようにしてるだけだから成仏以前にギコ次第でいつでも八千子の前から消えてしまう危うさあるよなと。

ギコの死の真相に迫りつつあるしその内容次第では結構ビターな展開になる気がしないでもない。


しかし更新未定でこの終わり方は生殺しすぎる…。




▼etc
少女辞典成分の補給に作者のTwitterで画像漁ってたら興味深いものを発見。改めて見ると確かに生き物のデザイン模してる装飾が結構ある。

何となく判別付いたのは八千子:蜘蛛、四織:紙魚、一美:オオミズアオ、九音:魚、オリエ:オオゴマダラ辺りか。植物っぽいのもあるけど確証が持てない。

蜘蛛のデザインが1話と11話で変わってるのと、そもそも何故八千子に蜘蛛なのかというのが地味に気になる。

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